臓器移植の現状

「臓器移植の現状」

海外での移植を求める理由を知って下さい。
聡太郎の移植を考えている時に、大阪で日本移植学会が開催されていました。
1日だけでしたが、参加させていただき、日本における移植医療の現状を感じることが出来ました。

現在の日本の法律に「臓器の移植に関する法律(以下、臓器移植法)」1997年10月16日施行があります。
臓器移植法とは、臓器提供の意思を書面(意思表示カードなど)で表示していて、しかも家族の同意があるとき、法的脳死判定により死亡確認後に、その人の臓器を摘出して、移植を必要とする患者さんに移植ができるという法律です。本人の生前の書面による意思を必須とすることを法律で規定している国は、世界中で日本だけです。
そのため、日本の脳死臓器提供数は、欧米やアジア諸国(韓国、台湾など)と比べて、きわめて少ない状況です。

また、民法では15歳以上でのみ遺言にあたる生前意思の表示が有効とされています。そのため15歳未満では脳死臓器提供は認められていません。
心臓や肺では15歳以上の臓器は大きすぎるため、10歳未満の子どもは移植を受けることが出来ません。

そのため、やむなく、多額の募金をつのってアメリカやドイツに渡って移植を受けている現状があります。

私たちは日本の皆保険制度の下では、医療は平等に与えられていると思っていました。しかし、聡太郎に移植が必要となったとき、(大人でも移植のチャンスが少ない現実ではありますが)子どもは海外に行かなければ移植が不可能であることと(生きていくチャンスがない)、それは先進国のなかでも日本だけであることを知り驚きました。

移植が必要になったとき、日本人を受け入れてくれる国は現在、アメリカとドイツの二カ国だけだそうです。しかし、その二カ国の中でも、移植手術を待っている方は後を絶ちません。
そのため、5%ルールといって、前年度の移植件数の5%の枠でしか外国人を受け入れないと決まっています。5%の中には日本以外の国も含まれます。

日本では肝臓移植、腎臓移植、心臓移植など保険適用になっています。しかし、子どもに日本での移植のチャンスはありませんし、日本人の私たちに海外での保証もありませんから膨大な費用もかかるうえ、国からの援助もありません。

近年、海外渡航には国際的批判がなされており、WHOでも自国内で移植を行うよう勧告しています。このため渡航移植は今後難しくなり、このままでは小さな子どもは生きる機会を奪われてしまうことが懸念されます。

今回、聡太郎の命を救うための募金活動へのご理解とご協力・ご支援を頂く際に、日本の現状を一緒に知って頂きたいと思い、浅い知識ではありますが、記載させていただきました。

中澤啓一郎・奈美枝

引用文献:
脳死臓器提供Q&A日本移植学会広報委員会編 第1版2008年9月15日作成
日本移植学会に参加して、頂いたパンフレットから抜粋させて頂きました。